川崎病
川崎病の概要
- 1967年、川崎富作先生により初めて報告された
- 日本などアジア人に多い、欧米では少ない
(日本人>アジア人>黒人>白人)
近年増加傾向;年間1.5万例程度発症
(2000年 8267人→2010年12755人→ 2016年 15272人)
⇒1000人を超える患者:何らかの冠動脈合併症を発症
男女比:1.5:1程度。年齢:80%程度が4歳未満、6ヶ月~1歳多い。
致死率:0.01~0.04%程度(2000年以降) - 全身の血管に炎症を生じる原因不明の疾患
⇒伝染性はないといわれている
⇒感染症合併も多い;これまで様々な細菌・ウイルスが原因の可能性が挙げられたが有力なものの同定なし - 家族内発症・再発例あり:KD感受性遺伝子の同定あり(ITPKC・CASP3 など)
⇒日本人はKD感受性遺伝子を持つ人が多いとされる+感染などの炎症トリガー⇒川崎病発症
川崎病の主要症状 ~診断の手引き第6版(2019年)より~
- 発熱(※熱の期間は問わない)
- 眼球結膜充血(眼脂なし)
- 口唇・口腔症状=口唇発赤、いちご舌、咽頭粘膜のびまん性発赤
- 急性期の非化膿性頸部リンパ節腫脹;片側・多房性
- 不定型発疹 ※BCG接種部位の発赤含む
- 四肢末端の変化
急性期:手指足趾の硬性浮腫、手掌・足底の紅斑
回復期:膜様落屑
川崎病の後遺症
- 川崎病=血管に炎症を起こす
⇒心臓の栄養血管・冠動脈に炎症を生じ、冠動脈瘤を形成することが主要な問題
川崎病の治療 ~二つの柱~
アスピリン
- 解熱作用
- 血管の炎症を抑える
- 血液を固まりにくくする
しかし、、、これのみで治療すると、冠動脈障害発症の危険性が高まる。。。
免疫グロブリン(IVIG)
冠動脈障害発症を予防する
※冠動脈障害が残った場合
⇒長期間、抗血液凝固薬を内服することになる・・・
診断後早期に免疫グロブリン療法を開始する!