肘内障
どんな状態?
肘の関節で、橈骨(前腕・親指側の骨)と尺骨(前腕・小指側の骨)を支えている輪状靱帯がずれる(亜脱臼)ことで、肘関節の運動時に痛みを生じる状態です。
痛みを生じるため、お子さんは肘または上肢全体を動かさなくなります。
典型的な病歴として「腕を引っ張ってしまった」などがあります。
典型的ではない病歴(転んだ、腕をぶつけた、など)の場合、骨折など異なる原因を考える必要があります。
治療方法
医療機関を受診し、整復法をおこないます。
「回内法」「回外法」「回内+屈曲法」「回外+屈曲法」が代表的です。
注意点
- 整復法をおこなった後でも腕を動かさない場合、痛みが続く場合には、骨折など別の原因を考えて、レントゲン写真などの検査が必要になる場合があります。
- 整復法をおこなった後、痛がらなくなり腕を自由に動かすようになれば、「肘内障」の診断は間違いないと考えます。その場合、5~6歳ころまでは再発する可能性があります。
→腕を引っ張らないように気を付けてください。腕だけ持って身体を持ち上げる遊びなどをしないようにしてください。 - なお、「肘内障」自体を生じたとしても、骨・関節などに後遺症(骨の発育障害など)を生じることはないのでご安心ください。
その他、なにか気になることがあれば医療機関でご相談ください。