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起立性調節障害(OD)

疾患概念(どういう病気か?)

自律神経(からだの調子を整える機能)のバランスが崩れ、午前中を中心に脳への血流をうまく調節できない状態になります。
そのため、朝起きることができない・立ちくらみがする・午後になると症状が改善するなどの特徴的症状が現れます。
この疾患は決して本人が怠けているわけではなく、身体の機能がうまく働かないため「起きたくても起きられない」「動きたくても動けない」という状態になっています。
症状が改善するまで長期間かかることが多いですが、必ずよくなります。
それまで下記の注意点を守りながら生活をしましょう。

日常生活の注意点

できる限り、規則正しい生活が送れるようにしましょう。

  • (できれば)早寝・早起きをしましょう。朝昼夕の食事を決まった時間にとれるようにしましょう。
  • 日中に身体を動かすようにしましょう。
  • 可能な限り、日中は横にならないようにしましょう。
  • 日中は水分を多めに(同時に塩分も多めに)摂るようにしましょう。
  • 過度に昼寝をしないようにしましょう。

⇒しかし、これらをうまくできないのがこの疾患の特徴です。そこで下記の方法も組み合わせてやってみましょう。

睡眠中の下半身圧迫

睡眠中に下肢に弾性ストッキングなどを着用し、下半身の圧迫を行ないましょう。
これにより、脳への血流を保ちやすく朝~午前中の症状の軽減に役立つといわれています。

起立調節訓練

壁に寄りかかりながら数分間の起立時間をつくります。
これにより、自律神経の調節機能を鍛えることができます。

薬物療法の選択肢(一例)

メトリジン®(塩酸ミトドリン) 1錠2mg

朝食前(起床時)+昼食後または夕食後または就寝前 に内服

リズミック®(メチル硫酸アメジニウム) 1錠1mg

朝食前(起床時)+昼食後または夕食後または就寝前 に内服
⇒血圧を上げる作用のある薬です、年齢に応じて使用する錠数が変わります。

最後に・・・

この疾患は本人および周囲の方の対応に原因があるわけではありません。

「本人のやる気がない」「周囲の対応が悪い」というわけではなく、『身体の調子が悪くても自分でもコントロールできない状態』です。
このことを本人およびご家族・周囲の方々に理解していただくことが治療の第一歩だと考えます。

治療における最初の目標は「まずは体調をよくすること」

最初から「学校にいくこと」を目標としないで、まずは体調を良くすることを目標にしましょう。
体調がよくなったら学校にいければよい、と長い目で考えていきましょう。(多くの場合、体調がよくなれば自然に学校にいけるようになります)

保護者、ご家族の方へ

「焦らず、どっしりと構え、じっくりお子さんと向き合ってあげてください」
「このつらい時期は、お子さんがよい人生を歩むための『栄養』になっているという考え方もあり、決して悪いことではないです」
「時間はかかりますが、必ずよくなります」

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